山川啓介という名前でも活躍されていた作詞家の井出隆夫(いでたかお)さんが7月24日に亡くなりました。
おかあさんといっしょを見ている皆さんにとっては、「山川さん」というお名前よりも「井出さん」という名前の方がなじみ深いのではないでしょうか?
今回は、追悼の意味も込めまして、井出隆夫さんのご活躍についてまとめてみました。
井出隆夫さんが亡くなったのはいつ?

先ほどもちらっと触れましたが、報道の内容についても一度おさらいしておきたいと思います。
井出隆夫さんが亡くなったという報道があったのは、2017年7月26日のこと。
実際に亡くなったのはその2日前の7月24日だったそうです。
1944年10月26日生まれの井出さん。
亡くなったときはまだ72歳。
早すぎる死でした。
亡くなったのは、長野県佐久市の病院で、死因は肺がんだったそうです。
先日、初代たいそうのおにいさんの砂川啓介さんが亡くなったこともお伝えしましたが、立て続けに「おかあさんといっしょ」に深くかかわられてきた方が亡くなってしまい、悲しみは深まるばかりです…。
井出隆夫さんは、作詞家としてだけではなく、脚本家、音楽構成・舞台構成家、更には訳詞家としても活躍されていました。
大学はあの名門、早稲田大学の文学部で学びを得ており、とても聡明な方なのがうかがえます。
次に、そんな井出さんの生前のご活躍について、まとめさせていただいたのでご覧ください。
井出隆夫さんの活躍【まとめ】
前述のとおり、井出さんは「山川啓介」さんというお名前でも活躍されていました。
「おかあさんといっしょ」での活躍や、童謡の作詞など、児童向けの、主に文学分野については本名で活躍されていましたが、それ以外の活躍は主に「山川啓介」名義で活躍されていたそうです。
児童向け分野での活躍をお伝えする前に、まずは「山川啓介」名義でのご活躍をピックアップさせていただきます。
山川啓介さんの特に有名な作詞曲といえば、「時よ止まれ」という、矢沢永吉さんのミリオンセラー曲です。
作曲は矢沢さんご本人がされていたこともあり、矢沢さんは井出さん(山川さん)の死について、
この作品の盟友が亡くなったんだなぁとしみじみ感じました
とコメントしています。
このほかにも、
岩崎宏美さんの「聖母たちのララバイ」
アニメ「勇者ライディーン」主題歌
「銀河鉄道999」
特撮番組「宇宙刑事シリーズ」主題歌
などなど、ここには書ききれないほどたくさんの作品の曲を手掛けられてきました。
そして、本名「井出隆夫」さん名義では、
童謡「北風小僧の寒太郎」
「ありがとう・さようなら」
など、誰もが知っている曲を手掛けられています。
更には私たち子育て世代の強い味方「おかあさんといっしょ」の月の歌などの作詞や、ファミリーコンサート、人形劇の脚本なども行われてきました。
いくつかあげさせていただきますと、
アイアイ・アイスクリーム
あしたのあしたのまたあした
お~い!
風とパレード
さみしくなんかないってば
そうだったらいいのにな
ちょんまげマーチ
やだやだツイスト
などなど…
この他にも多くの曲の作詞をされています。
2017年4月の、ゆういちろうお兄さん・あつこお姉さんコンビ初の月の歌「そよかぜスニーカー」も井出さんの作詞曲ですね!
また、人形劇で言えば、
にこにこ、ぷん
ドレミファ・どーなっつ!
の2作も井出さんの脚本作品です。
そしてファミリーコンサートについても。幾度となく脚本を手掛けられています。
一番最近のもので言いますと、2017年GWのファミリーコンサート「音楽博士のうららかコンサート」は井出さんが最後に手掛けられたファミリーコンサートです。
このコンサートでしか聞くことのできなかった「地球まるごとコンサート」、そして「おかあさんといっしょのトルコ行進曲2017」も井出さんによる作詞です。
「おかあさんといっしょのトルコ行進曲」が60周年ではなく、58年目にあたるこのタイミングで公開されたのは、なんだか胸が締め付けられるような思いがします。
だいすけお兄さんもブログでコメント!その胸中は…
井出隆夫さんの死を悲しむ人たちの中には、もちろん「おかあさんといっしょ」に関係してきたお兄さん・お姉さん達もいます。
現役のお兄さん、お姉さん達も、公に発することはできなくとも、胸中穏やかではないことでしょう…
そんな中、9年間「うたのおにいさん」を務めていた横山だいすけお兄さんもブログでコメントを発表しています。
井出さんの数多くの作詞曲を歌ってきて、そして脚本を手掛けられたファミリーコンサートにも多く出演し、井出さんとお話をしたこともあるだいすけお兄さん。
ブログではこのように述べられていました。
24日、大好きな井出隆夫先生が旅立ちました。
昨日の公演後に訃報をききました。
<略>
井出先生はいつも僕らのことをかわいがってくださり、応援してくださり、そして心配してくださり…ちょっと考えるだけで思い出が溢れて来て止まりません。
僕の最後のNHKホールの脚本を書いてくださったのも井出先生です。
春ホールの脚本は病魔と闘いながら書いてくれていたと聞きました。
入院される前、リハ室で先生とお話をした時に、冗談まじりで春ホールについて笑顔で話してくださったのが僕と先生の最後の会話です。
正直、稽古から本番まで先生が一度も来られなかった時に何かあったんだって思ってた。
先生に最後お礼を言えなかったのが悔しいです。
こんなに恩があるのに、まだ全然返しきれてないのに。
でも僕に今できることは、先生方が残してくれた宝物である歌を、子どもたちやパパママ、おかあさんといっしょを好きでいてくれるみんなに届けることです。
みんなも辛いことあるよね。
しんどいことあるよね。
でも1人じゃないんだよ。
この空の下にはいろーんな環境で同じように戦ってる人がいるんだから。
明日はくる。
<略>
井出先生、本当にありがとうございました。
先生の想いを歌にのせて届けられるよう僕も頑張ります。
出典;「横山だいすけのオフィシャルブログ」から抜粋 https://ameblo.jp/daisuke-yokoyama/
だいすけお兄さんの、悲しい気持ち、悔やまれる気持ちはもちろんですが、それでいて私たちに希望も感じさせてくれる文章。
井出隆夫さんへの強い想いと、信頼・尊敬の気持ちから成せる技ではないでしょうか。
まとめ
だいすけお兄さん以外にも、訃報を聞きつけ残念に思われているお兄さん、お姉さんは多くいらっしゃることでしょう。
「おかあさんといっしょ」を見ているお父さん、お母さんたちも然りです。
井出隆夫さんが世に送り出した多くの名曲たちは、これからもたくさんの人たちに愛され、末永く次の世代に伝えられていくことでしょう。
私も、子ども達に井出さんの残してくださったたくさんの曲を教えていきたいと思います。
末尾ながら、井出隆夫さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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